北部白山の管理人、乾靖がリアルな情報を提供しています。

乾靖のWhite Mountain

 

白山の山頂へと続く登山道のうち、北部エリアには、中宮道、加賀禅定道、楽々新道、岩間道、北縦走路の5つがあります。

 

中宮道 20km

中宮温泉が登山口となっていて、白山の登山道の中でも最も良好な原生自然を味わえるロングコース、白山の王道です。途中の見どころは、清浄坂に立ち並ぶ新緑眩しいブナの巨木の森、シナノキ平避難小屋の先の登山道のど真ん中に堂々とたたずむシナノキの巨木、滝ヶ岳からの北部白山の眺望、ゴマ平に一年中涸れる事無く湧き出る、白山随一の芳醇甘露水地獄谷覗きからの荒々しい白山の眺望、北弥陀ヶ原に咲き乱れる高山植物の絨毯、クライマックスはお花松原の大展望など枚挙にいとまがありません。

写真解説(左上から)
1 シナノキ平避難小屋から先のイチイ坂鞍部には、登山道に立ちはだかるようにシナノキの巨木が佇む。
2 ゴマ平までは森の中のロングトレイル。巨木に包まれた原生自然を堪能する。
3 滝ヶ岳からカエデ坂の鞍部。紅葉のシーズンにぜひ歩いてもらいたい。
4 北弥陀ヶ原の眺望。広大な草原に果てしなくニッコウキズゲの黄色の花が揺れる。
5 お花松原を見下ろす高台2,349m付近からの大展望。
6 お花松原に咲乱れる高山植物の絨毯。ハクサンコザクラやクロユリの大群落が至る所に見られる。

 

加賀禅定道 18km

白山三禅定道の一つで(他に越前禅定道、美濃禅定道が有る)白山開山以来、加賀側からの登拝道とされてきた霊験あらたかな登山道。しかし明治時代以降、白峰より市ノ瀬に入り越前禅定道の途中からの登山道を利用した登山者が増えると、次第に加賀禅定道の登山者も少なくなり、地元の熊撃ち意外は登る事が無く廃道となり荒れ果てていました。1980年代にインターハイや国体が開かれるのを機に、石川県がかつての禅定道を再整備し今日に至ります。そのため歴史書には記されている各地点は、近年まで限られた登山家しか見る事が出来ず、百四丈の滝が幻の名瀑と言われる所以です。見どころは女人禁制とされていた時代の伝説に残る美女岩、百四丈の滝、登拝時代の遺構である加賀室跡の石垣、化け猫を封じ込めたとされる四塚山に有る塚などがあります。

写真解説(左上から)
1 美女が岩にされてしまったという女人禁制とされてきた時代からの伝説が残る美女坂。
  わき見も出来ないぐらいの急登が続く。
2 いつの時代からか昭和後期まで拓かれることが無かったため、幻の滝とされてきた百四丈の滝。
  絶える事無く轟音を響かせ流れ落ちる名瀑。
3 加賀室跡へと続く草原の木道脇にはニッコウキスゲが咲き乱れる。
  別名ゼンテイカ(禅定花)といい、これぞ加賀禅定道を彩るにふさわし花畑。
4 加賀室があった時代、天池は飲み水を確保するのに重要な存在だった。
  極めて透明度の高い天水を湛えている。
5 長坂を登り切って振り返ると、加賀禅定道の全容が一望できる。
  足元から清浄ヶ原に流れ落ちる水は、絶え間なく流れ続ける百四丈の水源となる。
6 伝説の残る四塚山山頂の塚。人為的に下から運ばれここに積まれたという。
  山頂部には氷河時代の名残の地形(周氷河地形)も観察できる。

 

楽々新道 15km

新岩間温泉からしばらく林道伝いに歩き交差する尾根から登山道が始まります。最初は急な上り坂で一汗かいた頃ブナの巨木が現れ、急坂が終わるとアップダウンを繰り返しながら標高2,000m手前で突然視界が開け小桜平に出ます。ここには池塘が点在し、池の周りには食虫植物のモウセンゴケが観察できる。避難小屋はその上の段に有り水場もあります。小桜平避難小屋周辺は開けた広場で、天空も開けていて下界の光の邪魔もなく、星座観察には好適地であります。小桜平の上部で岩間道と合流します。

写真解説(左上から)
1 最初から急な尾根道が続くこのコースは大半が森の中。
  ブナからダケカンバ、オオシラビソへと周囲の景色が変化し1,776mポイントで、
  ようやく眺望が開け岩間道の薬師山のピークが見えてくる。
2 池塘が点在する小桜平に出ると見返坂までの眺望が開ける。
  湿原性の植物が足元を覆う。
3 岩間道との分岐に向けて高度を上げていくと、小桜平の全貌が見えてくる。
  振り返ると遠く笈ヶ岳や大笠山の展望が広がる。

 

岩間道 12km

白山の登山道としては随一の急登道である。登山道が始まる岩間湯元から薬師山までの僅か3キロで、標高差1000mの登りは日本でもトップクラスの急坂であります。岩間の名の通り、岩の間をよじ登るイメージがありますが、薬師山から先では山頂部から中宮道方面に続く雄大な眺望や清浄ヶ原の広大な眺めなど広く眺望が楽しめます。七倉山へのジグザグの登りを過ぎると加賀禅定道、釈迦新道との分岐点に出ます。

写真解説(左上から)
1 岩間の名の通り、岩の間を登って行く急坂が続く。
2 コエト小屋跡付近から薬師山への眺望。
3 薬師山山頂からの大展望。気持ちの良い稜線歩きが楽しめる。
4 見返坂上から赤茶けた岩肌が印象的な火の御子峰を真横に見る。
5 清浄ヶ原から最後の登りで見上げる七倉山。
6 七倉山から丸石谷源頭部の清浄ヶ原を見下ろす。

 

北縦走路 26km

中宮道の丁度中間点に位置するゴマ平避難小屋から別れて世界遺産白川郷へと続きます。手取川の源頭部であるシンノ谷には鉄橋が架かります。この一帯はまさに白山の最深部であり、清廉な流れが心と体を清めてくれます。妙法山に続く念仏尾根ではごく近年筆者の知人が発見した「念仏池」があります。この池は石川・岐阜の両県にまたがる比較的大きな池にも関わらず、国土地理院の地図にも記載がない存在で、2014年に白山自然保護の調査により、白山最大のタマミクリの群生地であることが判明しました。鏡のように静かに周辺の景色を写し出すこの池は必見です。

写真解説(左上から)
1 手取川源頭部であり白山の最深部、清流に架かる鉄橋は雪の重さを物語る。
2 妙法山までアップダウンを繰り返す念仏尾根。
3 念仏尾根の終盤には鏡のように静まり返ったタマミクリの大群生する念仏池が広がる。
4 妙法山から念仏尾根の先に白山主峰群を仰ぎ見る。
5 妙法山からモウセン平まではややアップダウンが多くなるが景色の変化に富んでいる。
6 野谷荘司山から三方岩岳へと続く稜線。ホワイトロード三方岩駐車場も近い。

注)この解説にはかなりセンター長 乾 靖の主観を交えているのでご了承ください。
注)各登山道の距離は室堂までとなります。山頂(御前ヶ峰)までは室堂からさらに約1km、40分ほどかかります。